2021年に郡山市で外来カミキリを発見!被害があちこちに・・・
福島県郡山市では2021年に外来種の「サビイロクワカミキリ」が街路樹のイヌエンジュという樹木から見つかり、街路樹が倒れたり、弱ったりする被害が発生していました。
日本で初確認だったため、当初は和名がなく、発見者の安齋が「月刊むし609号」にて和名を提唱し、名付けました。
初確認より2年前の2019年には既に多くの街路樹で被害が見つかっていましたが、街路樹だけではなく、民有地や民家の庭先にまで及んでいて、対応しきれていないのが現状です。
なぜ、被害が広がった?
外来種は初動が後の明暗を大きく分けます。郡山市では被害が確認された街路樹は速やかに伐採されましたが、かなり以前から侵入していたことが判明し、現在は県内20市町村で分布の拡大が確認されています。
サビイロクワカミキリはカミキリムシの中では大型の種類になりますが、このような大型のカミキリムシがなぜ誰にも見つからずに分布を拡大できたのか・・・。
まず一つめは、夜行性であるため、誰にも見つからなかったこと。
二つめは、成虫を見つけても、それが外来種であると気付かれなかったためで、身近な自然への興味が希薄になっていることが挙げられます。
悪い虫ばかりではない。在来の多くの虫は私達の生活を支えてくれている
日本には在来の多くの虫が生息しており、私達の生活は虫の恩恵の上に成り立っています。例えばハチやハエなどは果物や野菜の花粉を運んでくれる役割を果たしてくれているため、虫が絶滅すると人類は、食料がなくなり、滅びると言われています。
外来種は在来種の生息場所を奪ったり、遺伝子汚染などを引き起こし、生態系に様々なダメージを与えます。そのため、外来種を駆除することは生態系を守ることに直結します。
外来種がいることを知り、見つける目を増やしたい
外来種対策は早期発見・早期防除が肝要です。多くの方々にこのような外来種がいることを知ってもらい、見つける目を増やすことが、防除につながります。
まずは、興味を持って虫を見る、知る、虫を見分けることがとても重要です。
皆さんの自由なアイディアでつくる「虫を知るためのツール」を楽しみにしています!